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ひやおろしと秋あがり
ひやおろしと秋あがり 日本酒の世界には「秋の酒」としてよく耳にする言葉に、ひやおろし と 秋あがり があります。どちらも秋に出荷される日本酒を指しますが、微妙にニュアンスや背景が異なります。今回はこの二つについて、わかりやすくご紹介します。 1,類似点と相違点 類似点:どちらも「春先に搾った新酒を夏の間寝かせて、秋口に出荷するお酒」。 熟成によって角が取れ、丸みのある味わいになるのが特徴です。 相違点:ひやおろし は、火入れ(加熱処理)をしてタンクで貯蔵し、出荷前は火入れをせず“冷や”のまま卸すことからこの名がつきました。 秋あがり は、夏を越えて味が「上がった=旨みが増した」お酒を指す言葉で、特に火入れや製法の定義はありません。より広い意味で使われます。 2. ひやおろしについて ひやおろしは江戸時代から伝わる呼び方です。昔は春に火入れした酒を大桶で保存し、秋になって外気温と蔵の温度が近づく頃に樽詰めして出荷していました。再度火入れをせず「冷や」で「卸す」ことから「ひやおろし」と呼ばれるようになりました。まろやかさとフレッシュさのバランスが魅力です。 3. 秋あがりについて 秋あがりは比較的新しい言葉で、酒の状態を表す表現です。夏を越すことで旨味やコクがのり、味が“上がる”=美味しくなることから「秋あがり」と呼ばれています。こちらはひやおろしのような厳密な定義はなく、より広いニュアンスで使われています。 4. 一般的な特徴 口当たりは柔らかく、米の旨みがしっかり感じられる。 香りは穏やかで、落ち着いた印象が多い。 脂ののった秋刀魚やきのこ料理、炊き込みご飯など、秋の味覚と相性抜群。 冷やしても常温でもぬる燗でも楽しめ、シーンを選ばない万能さがあります。 ...
ひやおろしと秋あがり
ひやおろしと秋あがり 日本酒の世界には「秋の酒」としてよく耳にする言葉に、ひやおろし と 秋あがり があります。どちらも秋に出荷される日本酒を指しますが、微妙にニュアンスや背景が異なります。今回はこの二つについて、わかりやすくご紹介します。 1,類似点と相違点 類似点:どちらも「春先に搾った新酒を夏の間寝かせて、秋口に出荷するお酒」。 熟成によって角が取れ、丸みのある味わいになるのが特徴です。 相違点:ひやおろし は、火入れ(加熱処理)をしてタンクで貯蔵し、出荷前は火入れをせず“冷や”のまま卸すことからこの名がつきました。 秋あがり は、夏を越えて味が「上がった=旨みが増した」お酒を指す言葉で、特に火入れや製法の定義はありません。より広い意味で使われます。 2. ひやおろしについて ひやおろしは江戸時代から伝わる呼び方です。昔は春に火入れした酒を大桶で保存し、秋になって外気温と蔵の温度が近づく頃に樽詰めして出荷していました。再度火入れをせず「冷や」で「卸す」ことから「ひやおろし」と呼ばれるようになりました。まろやかさとフレッシュさのバランスが魅力です。 3. 秋あがりについて 秋あがりは比較的新しい言葉で、酒の状態を表す表現です。夏を越すことで旨味やコクがのり、味が“上がる”=美味しくなることから「秋あがり」と呼ばれています。こちらはひやおろしのような厳密な定義はなく、より広いニュアンスで使われています。 4. 一般的な特徴 口当たりは柔らかく、米の旨みがしっかり感じられる。 香りは穏やかで、落ち着いた印象が多い。 脂ののった秋刀魚やきのこ料理、炊き込みご飯など、秋の味覚と相性抜群。 冷やしても常温でもぬる燗でも楽しめ、シーンを選ばない万能さがあります。 ...

\店主の「推し蔵」シリーズ!/福井県・田辺酒造🍶
【蔵訪問記】福井県・田辺酒造にお邪魔しました🍶 〜なぜ取り扱いをはじめたのか、そして今改めて感じた魅力〜 こんにちは、酒幸仁の西野です。今回は、ずっとお世話になっている福井県の「田辺酒造」さんへ、実際にお邪魔してきました! 田辺酒造さんのお酒は、当店が開業する前から馴染みがあり、個人的にもとても好きな蔵のひとつです。今日は、あらためてその魅力と、今回の訪問で感じたことをご紹介します。 1. なぜ田辺酒造のお酒を取り扱うようになったのか? 酒幸仁を始める前、何度か福井のお酒を呑む機会がありました。福井の酒は全体的に軽快でスッキリした味わいが多い中、田辺酒造さんの酒には「深み」や「コク」があり、お燗にするとさらに味がのってくる。 その豊かな味わいを口にした時、不思議と「この酒を造っている人の顔」が浮かぶような、そんな感覚がありました。"酒は人を映す"と言いますが、まさにそれを体現しているように思います。 また、個人的に尊敬していた、東京で酒販店をされていた方(現在は亡くなられました)が、田辺酒造さんのお酒を取り扱っていたことも、心の中でひとつの大きな後押しになりました。 2. 店主・西野の考える「田辺酒造」の魅力 田辺酒造さんの最大の魅力は、"あえて近代化しない"という姿勢です。大きな設備投資で効率を求める時代にあっても、「手仕事」にこだわり、時間と手間を惜しまない。そんな造りが、酒の中にしっかりと表れています。 だからこそ、田辺酒造のお酒は、どこか人間味があって温かい。大量生産にはない“余韻”や“ゆらぎ”が心地良いんです。 3. お酒の傾向は?どんな人におすすめ? 田辺酒造のお酒は、派手さや甘さではなく、「食事に寄り添う」スッキリとした食中酒タイプ。飲み疲れせず、和食はもちろん、素朴な家庭料理とも相性抜群。 派手さはないかもしれませんが、食事の最後までじっくり楽しめる、“一緒に食卓を囲む”ための酒だと感じています。 4. おすすめの日本酒 今回のおすすめするのは、なんといっても特別に取り扱いを許された「優勝 復刻ラベル」! これは、一部の酒屋でしか流通しない、非常にレアな限定酒。ラベルも当時のデザインを再現しており、どこか懐かしさと風格を感じさせてくれます。 これはぜひ、お燗でも冷やでも楽しんでいただきたい一本です。 優勝復刻ラベルはこちら 5. 訪問を終えて〜田辺兄弟の人柄と、これからの関係〜 何度お会いしても、田辺兄弟の温かい人柄には本当に惚れ直します。物腰柔らかく、でもお酒には真摯。そういう方々が造るお酒だからこそ、私たちも自信を持ってお客様にお勧めできるのだと思います。 今の市場は、ガス感や甘みのあるお酒がトレンドですが、田辺酒造さんはブレずに、「食事に合う酒」を追求されている。その考え方は、私たち酒幸仁が大切にしている「お酒で人を幸せにする」という想いと、深く通じ合うところがあります。...
\店主の「推し蔵」シリーズ!/福井県・田辺酒造🍶
【蔵訪問記】福井県・田辺酒造にお邪魔しました🍶 〜なぜ取り扱いをはじめたのか、そして今改めて感じた魅力〜 こんにちは、酒幸仁の西野です。今回は、ずっとお世話になっている福井県の「田辺酒造」さんへ、実際にお邪魔してきました! 田辺酒造さんのお酒は、当店が開業する前から馴染みがあり、個人的にもとても好きな蔵のひとつです。今日は、あらためてその魅力と、今回の訪問で感じたことをご紹介します。 1. なぜ田辺酒造のお酒を取り扱うようになったのか? 酒幸仁を始める前、何度か福井のお酒を呑む機会がありました。福井の酒は全体的に軽快でスッキリした味わいが多い中、田辺酒造さんの酒には「深み」や「コク」があり、お燗にするとさらに味がのってくる。 その豊かな味わいを口にした時、不思議と「この酒を造っている人の顔」が浮かぶような、そんな感覚がありました。"酒は人を映す"と言いますが、まさにそれを体現しているように思います。 また、個人的に尊敬していた、東京で酒販店をされていた方(現在は亡くなられました)が、田辺酒造さんのお酒を取り扱っていたことも、心の中でひとつの大きな後押しになりました。 2. 店主・西野の考える「田辺酒造」の魅力 田辺酒造さんの最大の魅力は、"あえて近代化しない"という姿勢です。大きな設備投資で効率を求める時代にあっても、「手仕事」にこだわり、時間と手間を惜しまない。そんな造りが、酒の中にしっかりと表れています。 だからこそ、田辺酒造のお酒は、どこか人間味があって温かい。大量生産にはない“余韻”や“ゆらぎ”が心地良いんです。 3. お酒の傾向は?どんな人におすすめ? 田辺酒造のお酒は、派手さや甘さではなく、「食事に寄り添う」スッキリとした食中酒タイプ。飲み疲れせず、和食はもちろん、素朴な家庭料理とも相性抜群。 派手さはないかもしれませんが、食事の最後までじっくり楽しめる、“一緒に食卓を囲む”ための酒だと感じています。 4. おすすめの日本酒 今回のおすすめするのは、なんといっても特別に取り扱いを許された「優勝 復刻ラベル」! これは、一部の酒屋でしか流通しない、非常にレアな限定酒。ラベルも当時のデザインを再現しており、どこか懐かしさと風格を感じさせてくれます。 これはぜひ、お燗でも冷やでも楽しんでいただきたい一本です。 優勝復刻ラベルはこちら 5. 訪問を終えて〜田辺兄弟の人柄と、これからの関係〜 何度お会いしても、田辺兄弟の温かい人柄には本当に惚れ直します。物腰柔らかく、でもお酒には真摯。そういう方々が造るお酒だからこそ、私たちも自信を持ってお客様にお勧めできるのだと思います。 今の市場は、ガス感や甘みのあるお酒がトレンドですが、田辺酒造さんはブレずに、「食事に合う酒」を追求されている。その考え方は、私たち酒幸仁が大切にしている「お酒で人を幸せにする」という想いと、深く通じ合うところがあります。...